今回は、このブログをご覧の皆様ならほぼ確実に知っているであろうブランド、バブアーのちょっとしたオタク話をさせていただこうと思います。
バブアー(babour)とは?
念のためこのブランドを知らない人のために解説させていただきますと、バブアー(babour)は、1894年にイギリスの港町サウスシールズで創業された、ワックスドコットンのジャケットを生産しているブランドになります。
防水でなおかつしっかりとお手入れをすれば非常に高い耐久性を持っていることから、歴代イギリス王室(エディンバラ公、エリザベス前女王、チャールズ国王)も御用達にしている、非常に由緒正しく、格式高いブランドなのです。
さて、今回のメインテーマはこのイギリス王室の御用達制度の話です。
イギリス王室には、自国の優れたブランドに御用達のお墨付きを与える、ロイヤルワラントという制度があります。このお墨付きを与えることができるorできたのは故エディンバラ公、エリザベス前女王、チャールズ国王の三名(2022年10月3日現在)。それぞれに固有の紋章があって、この三名が各自御用達と認定したブランドには、それぞれのワラントを掲出することができる名誉が与えられるのです。
バブアーはこのロイヤルワラントを与えることができる三名が全員御用達認定をしている数少ない3ワラント企業。ちなみにファッションブランドで3ワラントを持っている企業はこのバブアーを合わせても片手で数えられるほどの数しかありません。
エディンバラ公の逝去により3ワラントから2ワラントに減少
このような非常に名誉ある称号の3ワラントですが、21年4月にはエディンバラ公フィリップ殿下が薨去してしまいました。ワラントを授けることができる人物が亡くなってしまった場合、お墨付きの称号の扱いはどうなるのでしょうか。
イギリスの御用達制度を管理するロイヤルワラント・ホルダーズ協会によると、ワラントの保持には5年毎の更新が必要なほか、ワラントを授けることができる者が亡くなった場合、その紋章は無効になり、以降2年以内に紋章の掲出を取りやめる必要があるそうです。
事実、バブアーは2022年秋冬からこれまでの3ワラントから2ワラントにタグのデザインを変更しています。
昨季の同商品のタグと比較すると真ん中のエディンバラ公のワラントを除いた配置のタグに変更されているのが分かります。
バブアーのワラントが2つになるのは、1987年にチャールズ皇太子からワラントを授かって3ワラント状態になってから実に35年ぶりのこと。
さらに…
エリザベス女王のロイヤルワラントも消えることに
2022年9月8日にはエリザベス女王も逝去され、ロイヤルワラントはさらに一つ姿を消すことになります。遅くとも23年の春夏からバブアーのワラントはチャールズ新国王のもの一つのみになります。
私事ですが、これまでバブアーを3着も購入してきて、この3ワラントのタグデザインに見慣れた自分にとって、かなりショッキングな出来事でした。
以上、ココチヤ雑用のタロウがお送りしました。