日頃扱っているコットンの源流を知ろうってことで、春からHARVEST(ハーヴェスト)さんと進めている綿花の栽培。
10月の終わりに収穫をさせていただいてから3ヶ月経ったところで、園主の土田さんから連絡をいただきました。
「綿のワタグリとカードかけをしましょう。」
綿繰りとは???
土田さんの口から飛び出してきたのは、またしても素人には馴染みのないワードばかり。
綿繰りとは、収穫した綿花を種と繊維に仕分ける作業のこと。手作業で行なうとなかなか根気のいる作業なのですが、こちらの綿繰り機を使うとかなり簡単に仕分けを行うことができます。
二つのローラーの間に綿花を差し込み、ハンドルを回すと繊維だけが巻き取られて種が手前に残ります。スムーズに回すにはちょっとしたコツが必要で、少し難しい。
このようにして、繊維と種とを分離することができました。
カード掛け(カーディング)とは?
種と分離した後の綿。このままの状態だと、繊維の方には種や葉の破片、土などの不純物が付着しているため、これらを取り除く必要があります。不純物を除き、なおかつ複雑に絡まった繊維を一定方向に揃える作業をカード掛け(カーディング)と言います。
こちらの細かな針がたくさんついたカードという道具を用いて繊維を引き延ばしていきます。
この作業を繰り返していくと不純物を見つけやすくなるので、見つけ次第ピンセットで取り除いていきます。
カード掛けは綿繰り以上にコツの要る作業で、スムーズに作業するのが本当に難しいです。
力づくで引き伸ばそうとしてもビクともしないので、スムーズに伸ばせる角度を探して試行錯誤。
大人4人がかりで一時間半かけ、綿繰りとカード掛けで合わせてこれくらいの量を仕上げることができました。
カード掛けまで終わって綺麗になった繊維が約12グラム。
かせと呼ばれる仕立てた糸の束がだいたい同じくらいの重さです。大きさが全然違う…
同じくらいの重さのハンカチ。製品化するとこんなにちっちゃくなります。
これだけの労力を費やしてもハンカチ1枚くらいしかできないことを考えると、綿のTシャツが1,000円で売っているのは安すぎるのでは…と感じてしまいますね。
なんだか服の価値について考えさせられた1日でした。
以上、ココチヤ雑用のタロウがお送りしました。
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